第19回技術研究発表会を開催しました

2019.01掲載
水源池ネット編集局

 平成30年11月30日、千代田放送会館において、一般財団法人 水源地環境センター(WEC)の 第19回技術研究発表会を開催しました。当日の来場者数は、WEC設立30周年を迎えた昨年と同様に160名を超え、たくさんの方々にご来場いただきました。

 特別講演は「ダムを使ったまちおこしについて」と題して、ダムマニア&ダムライター宮島 咲 様に講演していただきました。講演では、自らがダムに関心を持ったきっかけを皮切りに、ダムを活かした「まちおこし」の考え方と成功例について紹介していただくとともに、ダム管理者に対して「まちおこし」への協力を要請していただきました。詳しい講演内容については、来月の水源地ネットにおいて公表予定です。


ダムマニア&ダムライター 宮島 咲 様

 WECからの技術研究発表では、最初に「ダム水源地域活性化 -三春ダム20周年の事例-」と題して、研究第一部 環境管理室長 浅井直人が発表しました。発表では、ダム水源地域の活性化に向けた全国の取り組み事例を概観するとともに、完成20周年を迎えた三春ダムの事例について紹介し、今後を展望しました。


研究第一部 環境管理室長 浅井 直人

 次に、研究第一部 上席主任研究員 松ヶ平賢一より、「頻発する豪雨災害とダム操作の課題」と題して、発表を行いました。発表では、平成30年7月豪雨を始めとして、頻発する異常豪雨に対応したダム操作の課題と対応策について、国土交通省の検討会における議論や提言を紹介しながら考察しました。


研究第一部 上席主任研究員 松ヶ平 賢一

 3番目には、研究第二部 主任研究員 木村文宣より「WEC式アオコレベルチェッカーの紹介」と題して、発表を行いました。発表では、WECが開発した「WEC式アオコレベルチェッカー」の目的や機能をスマートフォンを用いた実演も交えて紹介するとともに、今後の課題や展開について述べました。


研究第二部 主任研究員 木村 文宣

 最後に、研究第三部 環境技術開発室長 大杉奉功より「ダム湖における河川水辺の国勢調査の成果・実施上の留意点と今後の展望」と題して、発表を行いました。発表では、ダム湖における河川水辺の国勢調査の成果として蓄積されてきたデータについては、河川やダムの管理への活用が定着していることと、さらに、水系内や全国的な生物の生息・生育状況の変化を把握することで、水系内の環境上の課題把握やダム管理上の課題の解決方法に活用できる可能性等を具体的に示すとともに、河川環境データベースシステムの利便性の向上に向けた取り組みについて紹介しました。


研究第三部 環境技術開発室長 大杉 奉功

 限られた時間の中で質疑もかわされ、発表会は盛況のうちに無事終了することができました。
 ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

■平成29年度 水源地環境技術研究所 所報: http://www.wec.or.jp/report/index.html