未来の建設現場!!~DXで新丸山ダム建設事業が変わる~

国土交通省 中部地方整備局
新丸山ダム工事事務所
建設専門官 芝 昌一

新丸山ダム建設事業は、既設丸山ダムの嵩上げにより機能強化を図るダム再生事業です。嵩上げ工事は、木曽川本川の洪水調節機能を維持しながら行うため、施工計画が複雑となり高度な技術力を必要とします。このため施工計画にCIMモデルを活用するとともにDXを推進し、リアルタイムの情報発信や現場作業確認、立体的なイメージ把握を可能にすることで対応していきます。

DXの推進に当たっては、中部地方整備局で令和3年3月に開設したDXソーシャルラボ、中部技術事務所で令和3年5月に開設したDXセンターと協同し、新丸山ダム工事事務所は、「実際の現場でデジタル技術を活用する」リアルフィールドとして、取り組んでいます。

ポイント1:CIMを活用した本体設計

本体の設計において、既にCIMモデルを活用した設計確認を進めており、これまでに設計を見直した事例があります。ダム放流管の工事で必要な足場をCIMモデルにより3次元で確認したところ、他の構造物との干渉が判明し、早期に設計を修正することができました。

3次元化により細部の確認が可能に

ポイント2:維持管理を見据えたCIMの活用

新丸山ダム完成後の維持管理を見据えたCIMモデル構築も進めています。既設丸山ダムの「貯水池堆砂モデル」を構築することにより、堆砂状況の経年変化を視覚的に把握することができます。また、貯水池の堆砂傾向も把握することができます。

丸山ダム貯水池堆砂モデル

ポイント3:クラウドサービスを活用したデータの一元管理

新丸山ダム建設工事では、既に構築したCIMモデルのデータをクラウドにて一元管理することにより、容量の大きいデータの受け渡しが解消されるとともに、常時最新のデータを見られるようにします。

クラウドによるデータ一元管理イメージ

具体的な取組はWebサイトでご覧ください。

「新丸山ダムを例とした3D技術の活用」、「中部地方整備局全体のDX取り組み」につきましては、下記サイトにて動画で紹介しております。
ぜひご覧ください。
https://www.cbr.mlit.go.jp/shinmaru/375_dx-transformation/index.html

また同サイトでは、コロナ禍でも自宅からダム見学を楽しんでいただくため、新丸山ダム工事事務所が令和3年6月より新たに2つのコンテンツを公開しておりますので併せてご覧ください。

①空撮映像「空からダムを見てみよう」

普段見ることのできない角度から撮影した丸山ダム、日本一の高さのバンジージャンプができる新旅足(しんたびそこ)橋、恵那市と八百津町を結ぶ工事中の国道418号(付替道路)の今しか見られない様子など、空から撮影した映像を字幕付きでお楽しみいただけます。

新旅足橋:日本一の高さのバンジージャンプが楽しめます。

②3Dバーチャル見学ツアー

丸山ダムの内部まで再現した3Dモデルによって、丸山ダムの見たい箇所を選択して自由に見学ができます。動画や画像と共に、丸山ダムを愛するダムマイスター(※)佳(よっしー)さんのコメントもお楽しみいただけます。

※ダムマイスター
ダムの役割、魅力を広く一般に紹介してもらう役割を担う、いわば「ダムの達人」です。2020年12月現在、全国で38名が任命されています。

バーチャル見学ツアー:監査廊のイメージです。どんどん中を覗いてみてください。

これから新丸山ダム建設工事が本格化するため、様々なデジタル技術を活用し「建設現場が変わった!!」と実感できるような取り組みにチャレンジしていきます。