「水源地域未来会議」が東京都内で開催される

2023.7掲載
一般財団法人 水源地環境センター
企画部 渡邉 和典

2023年6月7日~8日に都内において、「水源地域未来会議」が開催されました。

水源地域未来会議は、全国の水源地域の持続的かつ自立的な未来形成に向けて、地域振興の取組の課題や先進的な取組事例等を共有し、意見交換を行うことで、更なる深化を目指すための会議です。


今回の会議は、国土交通省、水資源機構、ダムに関係する地方自治体の首長、ダム管理担当者、水源地域活性化に取り組んでいるまたは関心のある自治体職員、市民団体等を招いて開かれたものです。

会議初日は二部構成で開催され、【第一部】として、水源地域の地方創生に関する取組事例紹介が3地方自治体の首長からありました。

取組紹介の内容は次のとおりです。

・長野県根羽村
安城市と環境育林協定を結び、施設交流や親子見学、さらに民間企業を巻き込んだ矢作川流域連携の取組

・島根県雲南市
尾原ダム、斐伊川を中心とした「さくらおろち湖ネットワーク会議」などの地域や上下流連携の取組

・熊本県菊池市
竜門ダム周辺の観光や農業の活性化、市民参画で地域資源を引き出し、観光コンテンツを開拓する取組

地方自治体首長による水源地域の地方創生に関する取組の事例紹介

【第二部】では、地域創生プロジェクトやSDGs、まちなか再生や水辺空間のリノベーションなどに造詣の深い有識者、指出 一正氏( (株)ソトコト・プラネット代表取締役)と泉 秀明氏( (有)ハートビートプラン代表取締役)を迎え、トークセッションが催されました。

有識者2名を迎えたトークセッション

会議二日目は、【第三部】として、3つの地方自治体担当者による取組の説明と自由討議が行われました。

取組説明の内容は次のとおりです。

・長野県木祖村
日進市との友好自治体提携、名古屋市との森林整備協定を基礎にした上下流連携の水源地域保全活動

・名古屋市上下水道局
流域全体で上下流連携に取り組む木曽三川流域自治体連携会議

・高知県土佐町
水源地域の土佐町・本山町、利水地域の高松市間の成果連動型モデルに基づく広域連携SDGsモデル事業

配信画面

自由討議は、座席を取り払った広いスペースに事例紹介の展示を各々パネルで設置し、出席者が自由に展示の間を移動し、側に立っている担当者と質疑応答を直接交わせるという、見本市会場のような形式で行われました。

出席者にとっては担当現場の生の声を聞くことが出来、細かい質問にも答えてもらえるとあって、大変熱のこもったやり取りが各所で交わされていました。中には、今後の情報交換を約束し連絡先を交換する姿も見受けられ、水源地域活性化のための解決策を渇望している出席者が多いことが伺える情景でした。

パネル展示説明の様子

今回は、全国の地域相互の新たなネットワークが形成され、継続的な水源地域振興の未来を開く種が芽生え始めていることを実感することが出来た会議となりました。