水源地ネット

土師ダム～広島県安芸高田市～

2019.05掲載
国土交通省中国地方整備局
土師ダム管理所

１．土師ダムの紹介

　土師ダムは、広島駅や広島空港から車で1時間少しの、安芸高田市八千代町にある重力式コンクリートダムです。ダムの堤体が「く」の字に折れ曲がっているのが特徴です。ダム湖は八千代湖と呼ばれ、ダム湖百選にも選ばれた風光明媚な場所です。周辺には、中国山地に連なったなだらかで美しい山並みが広がっています。

　土師ダムは、日本海へ注ぐ江の川の流域の洪水対策とかんがい用水（田畑を潤すのに必要な水）の供給の役割を担うほか、広島市、呉市、東広島市、竹原市及び瀬戸内海の島々など６市５町において、工場で使う工業用水や家庭で使う生活用水などの都市生活に必要な水を供給し、あわせて発電を行う多目的ダムです。ダムの建設は昭和41年4月に着手し、8年の歳月をかけて昭和49年3月に完成、5月に運用を開始しました。

土師ダム流域図

土師ダム

[ダム諸元]

型　　　式：重力式コンクリートダム	堤　　　　高：50.0m	堤　頂　長：300.0m	堤　体　積：210,000㎥
総貯水容量：47,300,000㎥	有効貯水容量：41,100,000㎥
集水面積　：307.5 k㎡	最大湛水面積：2.8 k㎡

[土師ダムの役割]

●洪水調節により下流の洪水被害を軽減
土師ダムは、江の川の流域で最も大きな、治水の要となるダムです。これまでも、平成11年の洪水の際をはじめとして流域の被害軽減に効果を発揮してきました。ダム地点において計画洪水流量1,900㎥/s のうち、1,100㎥/s（ダム下流放流800㎥/s）の洪水調節を行いダム下流の水害を軽減します。洪水調節開始流量を200㎥/s として、一定率一定量方式で調整を行うことにより、ダム下流河川の水位上昇を抑えます。

●かんがい用水
土師ダムでは下流地域において安心して作物を作ることができるよう、安定的に水を供給しています。

●発電
太田川水系への分水（都市用水を含む）により、可部発電所（広島市安佐北区：最大出力38,000kWで、年間約126,000MWh（最近の10カ年平均）の発電を行っています。これを家庭用冷蔵庫の使用電気量に例えると、約583,000台相当をまかなえる量になります。

●都市用水の供給
貯水池の水を分水トンネルにより瀬戸内海側に注ぐ太田川に送り（太田川分水295,000㎥/日）、その水は広島市、呉市、東広島市、竹原市及び瀬戸内海の島々など６市５町において、水道用水や工業用水として使われています。

２．土師ダム周辺の主なイベント

●八千代湖桜まつり
ダム湖の湖畔には、約6,000本の桜が植えられ、西日本有数の桜の名所となっており、毎年春になると八千代湖湖畔の桜に囲まれた桜まつりが開催されています。地元の神楽団による公演も好評です。

のどごえ公園（メインスポット）①

のどごえ公園（メインスポット）②

神楽公演

提灯による夜桜ライトアップ

●土師ダム桜守プロジェクト
桜守プロジェクトとは、住民ボランティアで組織されており平成19年から毎年2回行われている桜を維持・育成するための活動です。西日本でも有数の桜の名所となっている土師ダム湖畔の桜は、このボランティアの皆さんによる活動により支えられており、土師ダム管理所もこの活動をサポートしています。

伐採班

植菌班

施肥班

●森と湖に親しむ旬間
森と湖に親しむ旬間とは、森と湖に親しむ機会を提供することによって、心身をリフレッシュし、明日への活力を養うとともに、森林やダム、河川等の重要性について関心を高め、理解を深めることを目的としている活動で、毎年7月に開催されます。土師ダムでは、堤体内見学会、ホロージェットを間近で見る体験、クレストゲート全開、スタンプラリー、巡視船体験などが行われます。