2023.4掲載
一般財団法人 水源地環境センター
研究第一部 最上 友香子
完成に向けて工事最盛期を迎えている立野ダムで、令和5年1月15日に立野ダム再転流前の河床上流~放流管内~減勢工を歩くウォークイベント(国土交通省 九州地方整備局 立野ダム工事事務所主催)が行われました。 |
ウォークイベント参加者での記念撮影 |
あそ立野ダム広報室駐車場に集合した参加者 |
地元団体による立野ダム関連グッズの販売の様子 |
見学会は午前中に立野地区子供会及び住民の方々を対象に、午後に一般募集を対象に実施されました。 本記事では、一般募集されたウォークイベントの様子をご紹介します。 再転流前の現場に入れる最後の見学会ということで、参加者は90名に上り、大変賑やかな見学会となりました。 |
上流河床部から堤体へと歩いていきます |
仮排水トンネルの上流側 |
今回のイベントの一番の目玉となる、河川の流れを元に戻す前の今しか立ち入ることができない『放流孔』に潜入していきます。 上流河床部から堤体へ歩いていくと、流水型ダムならではの流木による放流孔の閉塞を防ぐためのスクリーン(柵)が見えてきました。 放流孔を通る様子は動画でお楽しみください。 |
堤体上流面と放流孔に設置されたスクリーン |
堤体上流面を撮影する参加者 |
堤体下流面に張り巡らされた足場とパイプ |
立野ダムは、ダムの型式を曲線重力式コンクリートダムとすることにより水圧を両岸の岩盤にも伝え安定性を確保できる構造となっており、ダムの一体化を図るためにジョイントグラウトを行う必要があります。その為、堤体をブロックに分割し、柱状に立ち上げていく柱状打設工法で建設されています。 コンクリート打設後にひび割れが生じないようにするために冷却する必要があることから、堤体内には無数のパイプが張り巡らされており、堤体表面にはそのパイプの出口があり、それを管理するための足場も設置されていました。 |
堤体の放流孔を閉塞させる試験湛水中に |
放流孔内でのお絵かきの様子 |
放流孔内でのお絵かきイベントやメモリアルストーンの製作体験も行われ、再転流を迎える立野ダムへのお祝いや立野地域への思いなど見学会に訪れた軌跡を思い思いに描きました。 |
メモリアルストーンの製作体験 |
立野ダム展望所からの景色 |
季節によって装飾が施される |
工事中にしか見ることができない |
立野ダム展望所では、ダム下流側から立野ダムと立野橋梁(大正13年完成)の景観を楽しむことができます。 また、展望所にはMyダムカードフォトフレームが設置されており、立野ダム建設現場を背景に自分だけのダムカードを作ることができます。 夜の展望台から見える暗闇に幻想的に浮かび上がる立野ダムは、工事中にしか見ることができない貴重な姿となっています。 |
あそ立野ダム広報室の入口 |
広報室の展示の様子 |
立野ダム周辺MAP |
南阿蘇村の旧立野小学校の校舎の一部を利用して開所された「あそ立野ダム広報室」では、立野ダムや阿蘇の豊かなジオサイトに関する情報発信が行われています。 ダムカードは広報室で入手できます(平日限定) あそ立野ダム広報室
立野駅前の「ニコニコ屋」では、休日もダムカードの配布が行われています(定休日:火曜)。創業明治40年の老舗の一口大サイズの甘酒まんじゅう「ニコニコ饅頭」は優しい味わいの立野名物です。 |
暖かく過ごしやすくなるこれからの季節に、阿蘇・立野渓谷の豊かな自然と、今しか見ることのできない工事中の立野ダムの姿を見に足を運んでみてはいかがでしょうか。 |