国土交通省 東北地方整備局
岩木川ダム統合管理事務所
令和5年10月3日(火)、4日(水)に津軽ダムで長期暴露試験供試体の定期計測を行いました。本調査は、津軽ダムにおける堤体コンクリートの劣化進行状況を把握するため、大型暴露供試体(1.2×1.2×1.0m)においては超音波伝搬速度、小型暴露供試体(10×10×40cm)においては、たわみ振動の一次共鳴振動数等を測定し相対動弾性係数を求め、供試体の劣化の進行度合いを定期的に把握することを目的としています。
供試体は標高の違う4箇所に設置されていますが、今回は貯水位の状況から実施可能な3箇所(EL.226.7m、EL.203.0m、EL.186.0m)について調査しました。以下、試験の目的、時期及び供試体の設置場所について紹介します。
津軽ダム本体の長寿命化に役立てるため、供用開始後もダム本体コンクリートの健全性を試験・確認する事が求められています。
これらの試験のうち、コンクリートコア採取を伴うもの、また、深度方向の状況確認を必要とするもの、コンクリートの両面に機器をおいて測定を行う必要のあるものについては、試験時のダム本体コンクリートの損傷を防ぐため、あらかじめダムコンクリートと同一の性状・設置環境にある暴露供試体を用いて試験を行います。
津軽ダムは積雪寒冷地にあるため、貯水位変動による乾燥湿潤繰り返し作用に加えて、特に凍害によるコンクリートの劣化が懸念されます。また、ダム建設時の試験結果からはアルカリ骨材反応や塩害の発生の懸念は低いですが、中性化あるいはその他のコンクリートの劣化に対して、ダムコンクリートが健全性を有しているかを確認する必要があります。
実施頻度:年1回
実施時期:10月~11月頃
ダム総合点検が30年毎に実施されるので、それに合わせて試験を行う計画として90年までに3回の試験が可能なように供試体を設置しています。
配置箇所は以下のとおりです。
EL.226.7m地点の大型暴露供試体の試験
EL.186.0m地点の小型暴露供試体の試験
EL.186.0m地点の大型暴露供試体(右下に4個)