国土交通省東北地方整備局
岩木川ダム統合管理事務所

令和６年２月17日(土)、岩木川ダム統合管理事務所が管理する「津軽ダム」のダムパークを利用し、雪原に縦約３０ｍ、横約６０ｍの巨大スノーアートを制作しました。これは、昨年初めて企画し、今年が２回目の開催となります。

スノーアートは、雪原にスノーシューの足跡で幾何学模様等を描くアートです。今回作成するアート作品のタイトルは、「白神から伝わる自然と文化」です。白神の自然と文化をイメージして、その中に西目屋村伝統のこぎん刺し、「西こぎん」や「滝」、「川」などを表現しています。

制作したのはスノーアーティスト集団「It’s　OK.（イッツオーケー）」の３名のメンバー。スノーシューを履いて雪を踏みしめ、約３時間かけて作りあげました。

津軽ダムが立地する西目屋村では２月にイベントが集中しています。「乳穂ヶ滝におがたきライトアップ」が２月１日(木)から18日(日)まで毎日17時頃から21時まで開催。そして17日(土)と18日(日)は白神山地ビジターセンターの「ふれあいデー」が、道をはさんだ道の駅「津軽白神」では「白神ピークス」という食や工芸品の文化イベントが、どちらも９時から15時まで開催。また、当事務所のダムライトアップが９日(金)から18日(日)まで毎日17時30分から20時まで開催となっております。17日(土)にスノーアートを企画したのは、村内にイベントが集中しているため、多くの来場者が見込まれるからです。

また、「ふれあいデー」は当事務所も後援しており、ダムに関するパネル展示で参加しています。これを利用して、17日(土)のスノーアートと18日(日)までのライトアップの宣伝パネルも展示しました。

スノーアート制作開始時間は人が集まりやすいように10時とし、完成は15時頃を予定しました。白神山地ビジターセンターや道の駅のイベントが終了してからでも見学出来る時間になります。

観覧については、制作過程に興味がある方も、完成形だけ見たい方にも分かりやすいように、制作時間をホームページとX（旧ツイッター）で公表しました。また、制作が始まった様子と完成した写真を、当日のX（旧ツイッター）でも紹介しました。このイベントは、地元新聞に取り上げられ、実施前と実施後に記事が掲載されました。

スノーアートは、天候に左右される難しいイベントです。特に今年は暖冬少雪のため、スノーアートは各地で中止になりました。「It’s　OK.」のメンバーによると、今年、県内で手掛けるのは津軽ダムが最初で最後ということです。

昨年２月15日の津軽ダムパークの積雪は211cm。ところが、今年は気温が高く雨も降り、積雪63cmまで下がり、スノーアートができるかどうか微妙な天候でした。積雪が十分でも、雪が解けた後再び凍ってしまうと、踏みしめても足跡が浅くて影ができないため、作品が浮かび上がらない恐れもありました。また、雪の色が雪原全体に黒っぽく変色しており、見た目も良くありませんでした。しかし、15日夕方からの雨が雪に変わり翌16日には積雪90cmまで回復し、しかも湿った雪なので、くっきりと深く足跡が残りました。当日は青空が広がり、会場も真っ白な雪に覆われて、スノーアートの制作観覧には最高の天気となりました。

このアート作品は、スノーシューの足跡に雪が積もって見えなくなるまでの時間限定になります。観覧終了時期の予測はつきませんが、せめて良い場所で見てもらいたいので、今年は昨年より高い位置に観覧場所を移し、臨時の専用展望台を設置しました。津軽ダムパークの雪原には照明設備が無いので、この作品は17時までの観覧になります。夜間の見物については17時30分から20時まで「津軽ダムライトアップ」を用意しております。そのために、津軽ダム資料展示室はトイレ休憩や暖がとれるようにライトアップ終了時間まで開館時間を延長しました。

17日(土)は白神山地ビジターセンターのパネル展でスノーアートの制作を知り、来られた方もおりました。初めてスノーアートを見たそうで、驚いた様子でした。また、弘前市から来られたご夫婦はスノーアート見物後にライトアップも見るために、お弁当を持参していました。

今回のスノーアートについては、制作過程を見逃した方や遠方に住んでいるため来ることができなかった方にもご覧頂けるように、ホームページやX（旧ツイッター）で完成するまでの動画や写真を公開しました。

一般の方は、冬期間にダムに来る機会が少ないと思われますので、冬のイベントを企画して、ダムをよりいっそう身近に感じていただけたらいいな、という思いで実施したものですが、津軽ダムパークの雪原ならではの空気を感じながら、心身ともにリフレッシュして頂けたのなら幸いです。