ダム・水源地トピックス

八ツ場ダムのカナメ・洪水調節用放流管据え付け開始 ~第3回八ツ場ダム現地見学会・今回は「堤内仮排水路」~

2017.11掲載
水源地ネット編集局 斎藤 源



〇間もなく堤高の3分の1


洪水調節用放流管とその呑み口部堤体上に


 平成29年9月22日(金)第3回八ツ場ダムファン倶楽部現場見学会に参加しました。 ダム本体工事は順調にダム高116mの約3分の1まで打ち上がり、八ツ場ダムの心臓部となる2門の洪水調節用放流管とその呑口部が、堤体コンクリート面に置かれていました。 前回(7月14日)はダム直上流側の放流管組み立て用の架台に置かれていたもので、つい先日アッという間に堤体上に据え付けられたということです(案内して頂いた藤枝地域振興課長の話)。
 次回見学会では、この巨大な放流管もコンクリートで覆われていることでしょう。



○今回は貴重な「堤内仮排水路」内の見学

 第1回見学会のダム堤体コンクリート打設状況見学、第2回見学会の骨材製造設備見学に続き、第3回特別見学会はめったに入れない「堤内仮排水路」の中を案内していただきました。



八ッ場ダム上流面ポンチ絵


堤内仮排水路”とは

 ダム本体工事(掘削からコンクリート打設完了まで。)を行うために、現在の吾妻川はダム本体工事現場の直上流で堰き止められ、山側に設けられたトンネル(「仮排水トンネル」という。八ッ場ダムは左岸側に設置。)を流れています。

 堤体コンクリートが打ち上がり、水を貯める時にはこの仮排水トンネルを閉塞するので、そのトンネル閉塞工事中に河川水を一時的に流すために、ダム堤体の底部に穴(「堤内仮排水路」という)を空けておきます。堤内仮排水路も、堤外にある仮排水トンネルの閉塞工事が終われば、閉塞して試験湛水となります。

 従って、堤内仮排水路は短命なのでなかなか中に入る機会はありません。



○いよいよ堤内仮排水路内に


↑仮排水トンネル上流締め切と呑み口部(写真のコンクリート壁の上流側)
 堤内仮排水路に入るために、仮排水路呑口下流の工事用道路を渡り、右岸作業員用階段を登り、ダム堤体下流面の河床部まで降りて(概ね40m)いよいよ堤内仮排水路内に入りました。
 上流仮締切からダム工事を望む→
←工事用階段を安全に降りる
 堤内仮排水路呑み口(上流側)→
 仮排水路内部は、監査廊を大きくした(概ね5m角)ようなもので、河床に近い標高でダム上流面から下流面まで同じ高さの空洞となっています。

堤内仮排水路内を見学

堤内仮排水路下流から上流を望む




堤内仮排水路吐き口から下流を望む

建設中ダムカードと八ツ場ダムファン倶楽部会員証(会員限定)

 今回の見学会では、本体打設中の直上流底面まで降りたので、そびえ立つきれいなダム上流面や堤内排水路吐口から見る洪水吐下流の水叩き部のコンクリート面まで、良く見学することが出来まして、見学者一同満足されたことでしょう。

 今回の見学会は、高低差約40mの工事用階段等の上り下りなど、厳しい行程で次の日から2日ほど足が張っていましたが、案内役の藤枝課長には皆さんの安全第一に留意して解りやすく案内して頂きありがとうございました。