日本ダムアワード2017ダム大賞 寺内ダム授与式

水源地ネット編集局

▲炭素さんから坂井所長へ授与

○ダム大賞授与式
日本ダムアワード2017のダム大賞を受賞した寺内ダム(福岡県朝倉市、独立行政法人水資源機構管理)に対する受賞記念トロフィーが、2018年2月10日(土)寺内ダム管理所において、ダム愛好家の炭素さんから寺内ダム管理所坂井勲所長に授与されました。
炭素さんは、昨年12月17日東京で行われた日本ダムアワード2017で、洪水調節部門の寺内ダムのプレゼンターです。

○寺内ダムの九州北部豪雨における洪水調節

▲洪水調整(速報値)

寺内ダムは、2017年7月5・6日の九州北部豪雨に際して、計画高水(300m3/s)を大幅に超える既往最大のダム流入量(888m3/s)を記録。この最大流入時に約99%に当たる878m3/sの洪水をダムに貯留し、ダム下流の佐田川の洪水被害を軽減しました。
これは、この時期、貯水位が低下していたこと、今後の降雨状況と残貯水容量及び下流河川状況を考慮して、放流量を可能な限り絞り込んだ結果です。
また、今回の出水により大量の流木がダム湖に流れ
込みましたが、これを捕捉したことにより、ダムのない河川に比べて流木による被害も軽減されています。


           ▲下流金丸橋 ▲ダムに補捉された流木

○日本ダムアワード総合プロデューサー萩原雅紀様(ダムライター・ダム写真家)からのメッセージ
「日本ダムアワード2017ダム大賞受賞、おめでとうございます。
また、お忙しいところ記念品お届けのご対応をしていただき、ありがとうございます。
本業の都合でお伺いできず、大変申し訳ありません。
日本ダムアワードは、ふだんマスコミなどに取り上げられることの少ないダムの活躍を勝手に讃えようと、 2012年よりダム好き有志で開催しており、2017年で6回目となります。
ダムアワードには洪水調節賞、低水管理賞、放流賞、イベント賞、不定期開催の臨時部門賞があり、それぞれ一年間を通して印象的なダムを選考委員がノミネートしてプレゼンテーションを行い、 およそ120名の観客と選考委員の投票によって決定されます。また、当日ノミネートされた全ダムの中から、その年でもっとも印象に残ったダムとして、ダム大賞を決定します。
昨年の九州北部豪雨の際、テレビやネットから現地の悲惨な状況が次々に飛び込んでくる中で、寺内ダムの活躍は防災インフラが被害を大きく低減させたと誰もが認識でき、遠くから見守ることしかできない身にとっては唯一の救いだったように感じました。
それはわれわれダム好きだけでなく、SNS等ではかなり多くの一般の方が 寺内ダムの効果を認識されていることが見て取れました。
「2017年を象徴するダム」として文句なしの受賞であると思います。
復興はまだ途上かも知れませんが、これからも流域を災害から守り、地域振興の中心となることを願っています。」

○寺内ダム管理所 坂井勲所長からの受賞コメント
受賞を受け、ダム管理所からダム愛好家、ダムファンのみなさまに今回の防災操作に高い評価をいだだいたことに感謝を申し上げます。ですが一方で、水源地域であるダム上流では大きな被害を受けていることを思えば複雑な胸中です。被災地の一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。

(独)水資源機構寺内ダム管理所
www.water.go.jp/chikugo/terauchi