2018.07掲載
国土交通省 中部地方整備局
天竜川ダム統合管理事務所
天竜川ダム統合管理事務所は、長野県南信地域を流れる天竜川の支川に建設された「美和ダム」(三峰川)と「小渋ダム」(小渋川)を管理しています。
美和ダムは昭和34年に完成した重力式コンクリートダムで堤高69.1m、小渋ダムは昭和44年に完成したアーチ式コンクリートダムで堤高105m、ともに洪水調節・かんがい・発電を目的とする多目的ダムです。
美和ダムは来年(2019年)に完成60年、小渋ダムは同じく完成50年を迎えることとなり、ダム水源地域の活性化につなげるため、今まで以上に地域と連携した取り組みを進めて行こうと考えています。
その一環として、ダム完成から60年・50年の1年前となるこの夏のイベントから、アニバーサリープロジェクトに向けて、事前告知を含めた取り組みをスタートしていきます。
▲天竜川流域図 | ▲美和ダム |
▲小渋ダム |
天竜川上流の東側の支川は、その源流は南アルプスとなっており、加えて中央構造線が南北に通っていることから、土砂生産が非常に多い流域となっています。美和ダムや小渋ダムも完成後大規模な出水時に大量の土砂が流れ込み、堆積した土砂は計画堆砂容量の9割を超え、貯水池の機能を維持するため、維持掘削や砂利採取とともに土砂バイパストンネルの整備を行い、現在ともに試験運用を行っています。
全国でも珍しい土砂バイパスが2つのダム共に整備されていることから、多くの方が見学に訪れており、近年は水辺利用などを含めダムへの来訪者が年間1万人程度で推移しています。また、2017年5月には土砂バイパスに関する国際会議の参加者も視察に訪れるなど幅広い分野の方々が訪れています。
▲小渋ダム土砂バイパスの試験運用状況 |
今年の「森と湖に親しむ旬間」では、7月21日(土)に「美和ダム体感DAY」を、7月28日(土)に「小渋ダム開放DAY」を開催します。
どちらのイベントでも、発電事業者の長野県企業局(南信発電管理事務所)や関係事務所、地元自治体や観光部局と連携して、ダムを含む「旬な現場」、「地域の見どころ」のアピールを予定しています。
特に「小渋ダム開放DAY」では、通常は入ることのできないキャットウォークやダム下流通路、土砂バイパストンネルなどにおいて、一定のエリアを開放し、自由に見学できることを数年前から実施しており、「自由に自分のペースで見学できる」などと好評を得ています。
加えて、今年は、小渋ダム上流の長野県大鹿村に8月9日オープン予定の「道の駅 歌舞伎の里 大鹿」とタイアップした催しも企画しており、来場される皆さんに楽しんでいただけるよう、いっそうの工夫をしていきたいと考えています。
「森と湖に親しむ旬間」の実施内容は、天竜川ダム統合管理事務所のホームページでお知らせしておりますので、ご確認ください。あわせて、事務所のツイッターでも情報発信していく予定です。
▲昨年(2017年)の小渋ダム開放DAYの様子 |
▲昨年(2017年)実施した「3ダム土砂バイパストンネル見学ツアー」 |
現時点では、アニバーサリープロジェクトの内容は決定していませんが、流域の自治体や観光分野を含む関係団体をはじめ、ダムの役割を伝え、ダムや湖面を賢く使い、水源地域や下流受益地の活性化につながるような取り組み、あるいはきっかけとなる取り組みにしていきたいと考えており、地域の方々、興味を持っておられる方々に「美和ダム・小渋ダム」に気付いていただけるよう、1年前からの取り組みをスタートさせていくこととしています。
長野県南信地域は、9年後にリニア中央新幹線が開通し、首都圏や名古屋圏との時間距離が大幅に短縮されることで、地域が大きく変わっていく可能性があります。その中でダムや湖面を活用して水源地域の振興に役立てるように取り組みを進めていきたいと考えています。
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