「八ッ場ダム完成 感謝のつどい」 開催

一般財団法人 水源地環境センター
研究第一部 磯部 久貴

一般財団法人 水源地環境センターではダムの建設にあたってダムがよりよい地域資源になり、地域に活用していただくために必要な景観デザインの検討や、ダム建設における環境への影響を低減するためのモニタリングなども行っています。

この中で、当センターで景観デザインやモニタリングに携わっている八ッ場ダムにて、去る5月28日(土) に完成を記念する式典「八ッ場ダム完成 感謝のつどい」が行われました。

(撮影:WEC)

主催は国⼟交通省 関東地⽅整備局で、八ッ場ダム管理⽀所内の駐⾞場に特設会場を設け盛大に行われました。

八ッ場ダムは2020年3⽉に完成。このたび、事業にご協力いただいた地元の方々や地元自治体をはじめとする関係者の皆様に感謝を申し上げる式典として開催されました。

招待者は地元代表者の方々、長野原町及び東吾妻町、群馬県、1都4県、関係行政機関、国会議員の方々をはじめとする関係者の皆様およそ300名が出席されました。

当センターからも理事長の平井 秀輝が出席いたしました。また、当センター縁の方として、ダム堤体や管理棟、減勢工にかかる橋梁などの景観デザインでご指導をいただいた東京大学名誉教授の篠原 修先生や、ダム湛水後の環境保全対策のための検討にてご指導をいただいている埼玉大学名誉教授の浅枝 隆先生、群馬大学 大学院理工学府教授の清水 義彦先生なども来賓としてご出席されました。

(撮影:WEC)

式典では、⻫藤 鉄夫 国⼟交通大臣から「ダム建設のために⼟地を提供した町⺠ら関係者の協⼒に感謝」の言葉があり、「2019年の台風19号でダムが利根川の⽔位低下に役⽴った」ことに触れ、「今後もダムが流域の安全確保や⽣活基盤の安定に貢献し、観光資源として地域の活性化に寄与することを願う」との祝辞がありました。

また、群馬県 ⼭本 ⼀太 知事からは「何世代にもわたり苦労した地元の理解があってこその事業で、⽣活⽀援に引き続き取り組む」と強調し祝辞がありました。

⻫藤 鉄夫 国⼟交通大臣
(撮影:WEC)

群馬県 ⼭本 ⼀太 知事
(撮影:WEC)

地元の⻑野原町の萩原 睦男町⻑からは「完成までの68年という⻑い時の中で⽣まれたつながりを⼤切にしたい」と挨拶があり、髙⼭ 欣也前町⻑からは「今後は住⺠とともに、にぎわいの八ッ場あがつま湖となるよう努めたい」とのお話がありました。

現⻑野原町⻑ 萩原 睦男 氏
(撮影:WEC)

前⻑野原町⻑ 髙⼭ 欣也 氏
(撮影:WEC)

セレモニーでは、⻫藤国土交通大臣や⼭本知事らがダムの点検放流のボタンを押したほか、くす⽟割りやテープカットで完成を祝いました。

(撮影:WEC)

式典の終了後、ダム周辺では⻑野原町主催の町⺠限定イベント「八ッ場ダムフェスタ」が開かれ、ダム天端のキッチンカー等によるにぎわいの創出や⾳楽・ダンスステージなど多彩な催しが行われました。加えて、町⺠400⼈がダム最上部にある非常⽤の放流設備「クレストゲート」からの点検放流を楽しみました。

(撮影:WEC)

特にクレストゲートは⼤⾬でダムが満⽔になって緊急放流をする際に使い、点検以外で開けることはめったにありませんが、今回はゲート点検のタイミングを合わせ、八ッ場ダムでは初めて放流を⼀般向けに公開しました。

(撮影:WEC)

カウントダウンに合わせて4門のゲートが開くと、⼤量の⽔が⼤きな⾳と共に堤体を⽩く染めながら約100メートル流れ落ち、町⺠は歓声を上げて、最上部からの放流の迫⼒をスマートフォンやカメラを向けて映像に収めていらっしゃいました。

(撮影:WEC)

(撮影:利根川ダム統合管理事務所)