2023.8掲載
一般財団法人 水源地環境センター
研究第一部 最上 友香子
研究第三部 末吉 正樹※
(※取材当時)
昭和48年4月に管理を開始した松原ダム・下筌ダムが、今年で管理50周年を迎えたことを記念し、令和5年5月28日(日)に「感謝の集い」が開催されました。 「感謝の集い」は、国土交通省九州地方整備局筑後川ダム統合管理事務所と大分県日田市、熊本県小国町の共催で、記念式典と記念イベントの2部構成で行われました。 |
記念式典の様子 |
鼓笛隊による演奏 |
午前中に行われた記念式典は、地元の津江小学校の児童の皆さんで編成された鼓笛隊が演奏するアップルパイマーチと津江小学校校歌で華々しく幕開けしました。 式典には、国会議員、流域の首長、関係市・町会議員、ダム建設のために用地を提供いただいた方々など約200名の方々が参加されました。 開会の挨拶では、国土交通省九州地方整備局 藤巻局長より、反対運動のリーダーであった室原知幸さんの「公共事業は、理に叶い、法に叶い、情に叶う」との言葉のもと、しっかり維持管理をして地域に寄り添い愛される仕事をしていきたいとのお話、また、日田市 原田市長からは反対運動と住民の苦労や支えがあり、筑後川の中下流域はダムに守られている、この恩恵を節目に考えるのは大事なことであるとのお話もありました。
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九州地方整備局 藤巻局長の挨拶 |
日田市 原田市長の挨拶 |
参議院議員 足立氏の来賓祝辞 |
小国町 渡邉町長の謝辞 |
※役職等は取材当時
記念式典では、反対運動や建設工事の様子、そしてダム完成時の様子がまとめられた建設記録が上映されました。さらに、ダム建設のために用地を提供いただいた方々と、松原ダム・下筌ダムについて防災学習を体験した地元の中学生の方々からのビデオレターも上映されました。
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建設記録・ビデオレターを鑑賞する出席者 |
式典では、松原ダム・下筌ダム 管理50周年記念碑のお披露目も行われました。 その内容は、昭和28年6月の筑後川大洪水を契機に建設・計画された松原ダム・下筌ダムについて、その後の公共事業の在り方に大きな影響を与えた建設反対運動を振り返るとともに、ダム建設及び管理に協力いただいた方々へ感謝を伝え、そして、これからの筑後川流域住民の安全で安心な暮らしを願う内容となっています。 |
記念碑のお披露目 |
メインステージは、Wエンジン えとう窓口さんの司会で進められ、地元の中学校や高校の吹奏楽部による演奏や、日田もりあ下駄いによるパフォーマンス、カラオケ大会で盛り上がりました。 |
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地元の中学校の吹奏楽部による演奏 |
日田もりあ下駄いによるパフォーマンス |
希望者が列をなす体験イベント受付 |
ボートで水面からダムを見学 |
気球が宙に浮くと歓声が上がっていた気球体験 |
体験イベントとして、ボートによるダム湖遊覧や熱気球チーム「FLY ONE」による熱気球体験、下筌ダム見学も行われました。 受付は盛況で、たくさんの地域の子どもたちが様々な体験イベントを通してダムと親しみました。 |
下筌ダム見学では、ダム管理職員からの説明を受けながらキャットウォークやダムの中の監査廊を体感しました。 |
下筌ダムの建設の歴史や役割の説明 |
キャットウォークを歩く参加者 |
下流面を間近で見学 |
50年以上の間、水を貯め続けてきたダム堤体の中(監査廊)も見学 |
記念式典会場には、日田やきそばや久留米市グルメ、小国町スイーツ、大分県佐伯市の海の幸・ブリといった筑後川流域や大分県のご当地グルメが大集合しました。 たくさんの美味しいグルメがありましたが、本稿で全てを紹介しきれませんので、ここではダムをモチーフにしたグルメを販売されているお店をご紹介します。 |
下筌ダムを見ながら食事を楽しみました |
当日限定で販売されていた下筌ダムカレーの堤体(ライス)は、金型を使って丁寧に打設されています。
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ダムや筑後川流域のグッズでいっぱいのたこやき三ちゃんも出店されていました。
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記念式典当日の松原ダム・下筌ダムは、式典で周辺地域内外から人々が集まり賑わう傍で、いつもどおり堂々とした姿を見せていました。 毎年のように豪雨が発生している昨今ですが、ダム建設やこれまでの管理へ多大なご協力をいただいた方々、そして、今まさにダム管理の現場や周辺地域の方々のご尽力により支えられて両ダムは、これからも筑後川中下流域を守ってくれることでしょう。 |
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「感謝の集い」当日に撮影した松原ダム(左)と下筌ダム(右) |