研究第一部 上原 浩
開催日:2023年11月11日(土)
天気:🌞~⛅
気温:15℃
今日は、私の地元の広島県、その東部を流れる一級河川芦田川上流にある府中市と世羅町に跨る、国土交通省管理の「八田原ダム」にやってきました。ダムのシンボルの一つとなっている夢吊橋を歩く、「第14回夢吊橋ウォーク2023」イベントに参加するためです。
備後の水がめ 八田原ダム
この「秋の夢吊橋ウォーク」は、八田原ダム芦田湖周辺活用連絡協議会(会長:世羅町長、事務局:国土交通省中国地方整備局八田原ダム管理所)が主催となって毎年秋に開催されているイベントです。八田原ダムの水源地域である世羅町・府中市における、ダム湖及び周辺の観光施設を活用した地域の活力づくりとして行われ、今回で14回目になります。途中、2020年、2021年は新型コロナウイルス感染拡大のため開催が見送られましたが、昨年から再開されました。
「故郷の近くのイベントなので参加せずにはいられない」と思い立ち、参加申し込みをしました。
イベント案内チラシ(八田原ダム管理所ウェブサイトより)
メイン会場と秋の青空
前日が霧雨で、当日の天気を少し心配していました。
しかし、心配はご無用。実は私は晴れ男。今日こそ本領発揮です。
しかも、前日の雨で空気が綺麗になって、まさに秋晴れ。
青空を見てテンションがあがってきました。
駐車場が遠い参加者にはシャトルバスで送迎
受付開始は8時30分。早起きして、ちゃんと朝ご飯も食べて会場に来ました。気温は10℃を下回っていたようで、少々空気が冷たかったですね。
駐車場に車を停めて、巡回バスもありましたが、最も会場に近い第一駐車場に駐車でき、受付まで歩いて10分ほどだったので、ウォーミングアップを兼ねて歩きました。他の参加者も歩いている方は多かったですね。
受付を済ませました。早めだったこともあり、人はまだまばら。ダム管理所の方に聞いたら、今年の参加者は昨年とほぼ同じで約300名とのこと。
コースは3種類。小さい子どもも一緒に「ファミリーコース5.5km」、疲れるのは嫌だけど、ある程度ウォークは満喫したいわがままな人向け「ふれあいコース9km」、健脚自慢向けの「ダム湖周遊コース15km」。
私は多少体力には自信がありますが、初参加ということでちょっと様子見。15kmではなく、9kmコースにエントリーしました。それでも、普通に歩くと2時間くらいはかかる距離です。
コース別に受付
参加者はコースごとのチェックシートをもらいました
青空のもとで開会式 ?な人が
開会式では府中市長(代理の方)からご挨拶がありました。そして、準備体操はみんなでラジオ体操。久々でしたが動きを間違えずにできました。体が覚えているものですね。
参加者は老若男女で、夫婦や子ども連れ家族、イベント仲間のグループもありました。もちろん、私と同じ、おひとり様も多数いました。そして不思議な格好の参加者もいました。
スタートは、長い距離のコースの人から順番にスタートでした。
まず、15kmコースから。全員、見た目から健脚ぞろいに見えました。頑張ってください。
その後、私たちの9kmコースもスタート。不思議な格好の人は同じコースでした。
では、行ってきます。
八田原ダムの周遊コースは、一部に県道がありますが、それ以外は市道、町道及びダム管理所所有の道路。一般の通行車両がいないので、安心して歩くことができました。
コースごとに、先導として係員さんが付いているのですが、八田原ダムや生き物の説明をしてくれていました。分かりやすくて面白いお話で、参加者からたくさんの質問が出ていました。私も知らなかった八田原ダムの現地の情報、勉強になりました。
9kmコースのスタート
ビブスを付けた係員さんの漫談でウオーク中も賑やか
せせらぎ公園には道路沿いに桜がずらりと並ぶ
ここはせせらぎ公園。春には満開の桜でとても賑わうそうです。
「ダム湖畔と桜」。いいですね。
また、ダム湖面に近づくことができる場所でもあり、ダム管理所の方の話では、今年の夏に、SUP体験会が開催されたとのこと。私はSUPに乗る自信はありませんが、プロの方が来て教えてくれたそうです。ダム湖面で遊びができるのは楽しいですよね。
コースはなじみの道で、普段は車であっという間に通り過ぎるだけですが、歩くと景色だけでなく、匂いや空気を感じることができます。「こんな匂いなんだ。」「こんな景色が見えたんだ。」と、新しい発見がいくつもありました。ウォークの楽しみですね。
でも、周りの景色ばかり見ていると、自分の前後に人が少なくなっているのに気がつきました。
八田原大橋と芦田湖
前方の参加者が少なくなりました
ダム湖周遊道路から、県道に出るところに施設がありました。これは「芦田湖オートキャンプ場」です。キャンプ場の方に話を聞くと、最近ソロキャンプなど利用者が多くなっているとのこと。さらに、ダム湖面が見える区画を最近新しく設置したとのことで、今一番人気だそうです。区画には水道や電気もあるので、気楽に、気軽にキャンプを楽しめますね。
芦田湖オートキャンプ場
きれいに整備されてダム湖面も望めます
県道にかかる八田原大橋です。歩いて近づくと高さを実感できます。また、橋の上から見える備後の水瓶八田原ダム・芦田湖は、私たちの大事な水をしっかりと貯めてくれているんだなと感じました。
斜張橋の八田原大橋
水を湛える八田原ダムを裏側から見る
途中キロポストが見えると、確実に進んでいることが分かって嬉しい気分になります。昔の旅人が一里塚に思ったことと同じかな(妄想好きが出ました)。
コース途中のキロポスト
少しずつ数字が増えるのは嬉しい
八田原ダム貯水池には、「気泡循環装置」という、水中の深い位置から空気を吐き出して上昇流を発生させることで水を循環させて水質を保全している施設があります。これは、陸上から水中の装置へ空気を送る機械が入っている建物。人知れずひっそりとしていますが、ダムの水質を守るために日々、働いてくれています。
空気を送る機械が入ったコンプレッサー室
この架台の下、深くから気泡を吐出
1つめのチェックポイントです。いわゆるホントの吊橋ではないけれど、赤く綺麗な夢吊橋を渡る手前にありました。係員の方の「お疲れ様。頑張って。」という優しい言葉に、ますます歩みが早くなってしまいます。
夢吊橋の左側(下流側)に見える縦に長い施設は取水施設。貯水位が上がったり下がったりしても取水できるようになっています。ここで取水して、下流にある中国電力の府中発電所に送って発電しています。
第1チェックポイント 赤い欄干の夢吊端の手前
吊橋なので弧を描いています
夢吊橋を渡った後は、ちょっと細い道になりました。芦田川の支川、 宇津戸 川方面です。
この宇津戸川には、八田原ダムができる前宇津戸川ダムがあり、府中発電所へ水をトンネルで送っていたとのこと。八田原ダムができた後貯水池に水没したのですが、コンクリートのダム本体は残されていて、ダム貯水位が下がるとダムが出てきます。地域の歴史を感じました。
宇津戸川方面の芦田湖
水位が低下すると昔の宇津戸川ダムが現れます
府中市と世羅町の市町境
車に乗ってると気がつかない
八田原ダムは、府中市と世羅町の市町境にあるので、ところどころそれを示す看板があります。
(八田原ダム堤体・夢吊橋にもありますよ。知っていましたか?)
最後のチェックポイント 係員さんもお疲れ様です
折り返し地点にチェックポイントがありました。優しい係の方が、ハンコを押してくれました。さあ、後はダムに向けて戻るだけです。
ここまで8km近く歩いてきたのですが、不思議とまだまだ元気でした。歩みも速かったようで、9kmコースの参加者でも、結構前の方を歩いていました。
あと1km 短い距離のファミリーコースの方を追い抜きます
ついにゴール地点、ダム堤体が見えてきました。ゴール地点ではゆるキャラがお出迎えをしてくれました。府中市の備後府中焼きマスコットキャラクター「ミンチュー」と世羅町のイメージキャラクター「せら坊」。
無事にゴール。タイムは約1時間30分(90分)、毎時6km。一般的な人(毎時4km)と比べると、そこそこの速足。しかも、疲れもあまり感じていなかったです。
八田原ダム管理所長からも、「まだまだ元気いっぱいに見えますね。」と声をかけていただきました。やはり15kmでも大丈夫だったかも。
ダム堤体上の堤頂道路
ゴール地点ではキャラクターがお出迎え
コース別にカウンターがありました
ゴール後は、完歩証と参加賞を受け取り、地元の名産品があたるくじ引きに挑戦。しかし、晴れ男でもくじ運は持っていないので、見事「7等 ヘルシーみそド」(焼ドーナツ)でした。美味しかったですよ。でも、私の後にくじを引いた参加者には、続々と特賞や1等が当たっていました。
しっかりアンケートも書きましたが、住所の回答で「東京」は私だけかもしれません。
完歩証を受け取りました
抽選くじの景品もたくさん
受付の駐車場には、地元の農産物販売やキッチンカーも来ていました。地元の方が無料の豚汁を振る舞っていて、カラダに染みわたる美味しさでした。もっと食べたいとお店を物色。レジに行列ができているお店もあって賑わっていました。そして、とても美味しそうだった焼き芋を購入しました。ほくほくで、とても甘く、大満足でした。
府中市・世羅町の農産物や食べ物が販売されていました
ダムカードの他、バッジや地元名産品のお土産
会場を出る前にダム管理所長とお話をした際、「このような楽しめるイベントを通じて、治水や利水、環境など、八田原ダムが果たしている役割や効果を地域の人に知ってもらいたい。また、地域活性化につながるよう、地域にダムがあることを活かした取り組みも積極的に進めていきたい。」と言われていたことがとても印象的でした。
たくさんのお土産は、東京に帰った後、美味しくいただきました。八田原ダムをとても身近に感じることができた1日でした。
イベントスタッフの皆様、ありがとうございました。