2017.11掲載
国土交通省 九州地方整備局 武雄河川事務所
嘉瀬川ダム管理支所
平成25年3月
嘉瀬川ダム水源地域ビジョンについては、地域住民、佐賀市富士町内の各種団体、行政機関で構成される嘉瀬川ダム利活用協議会により策定されました。その後、平成25年12月に嘉瀬川ダム利活用推進協議会と名称を変更し、嘉瀬川ダム水源地域ビジョンを推進しています。
【推進協議会の構成】
ダム所在地域住民、各種団体(農業協同組合、森林組合、商工会、体育協会等)、事務局(行政機関)
水がもたらす様々な恵み【恵】を、嘉瀬川ダムの水源地域の自律的、持続的な活性化に向けたキャッチフレーズとして、取り組みを推進しています。
①『水系(携)』: | 水を軸とした嘉瀬川水系(流域)全体での連携・交流を図る。 【連携・交流】 ~ 人々が集うふるさとづくり ~ |
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②『水経(継)』: | 水源地域の産業振興(経営)や歴史文化の継承により活性化を図る。 【産業振興】 ~ 明るく元気で豊かなふるさとづくり ~ |
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③『水 景』 : | 富士しゃくなげ湖の雄大な景観や環境保全を図る。 【景観・環境保全】 ~ 美しいふるさとづくり ~ |
(1)嘉瀬川ダム感謝祭
水源地域と受益地域の交流として、嘉瀬川ダム感謝祭が開催されています。この感謝祭は嘉瀬川流域に水の恵みと治水効果を与えてくれる嘉瀬川ダムと、ダム建設に協力頂いた土地提供者をはじめ富士町の皆様に感謝するために毎年行われています。
また、感謝祭の来場者にはダム見学会やカヌー・ボート体験会等のイベントもあわせて行っています。
神事 | 伝統芸能の奉納 | 上下流交流会(炊き出し) | ダム見学会 |
(2)カヌー・ボート体験会
広大な湖面の利用活性化を目的として、カヌー・ボート体験会が毎年行われています。県ボート協会とカヌー協会のスタッフが指導し、初めての人も気軽に参加できる内容となっています。体験会は単独のイベントとして開催されるほか、嘉瀬川ダム感謝祭など他のイベントともあわせて開催しています。
また、湖面の利活用では、体験会以外でも高校生、大学生、実業団クラブのボート競技の練習場として、遠くは中部、関東地方のチームの方にも利用されています。
カヌー・ボート体験会 | カヌー競技 | ボート競技 |
(3)富士しゃくなげ湖ハーフマラソン大会
県内外の参加者が自然とふれあい、市民と交流を深めることにより、市民スポーツへの関心を高め、健康増進を目的として開催されています。ダム天端道路及びダム湖を周回する道路を活用してハーフマラソン大会が行われています。毎年1,000人近くの参加者がアップダウンのある難コースに挑戦しています。
ダム天端道路を走るランナー | 湖面橋を走るランナー | ダム周回道路を走るランナー | 給水所 |
(4)ダム周辺一斉清掃
毎年開催される嘉瀬川ダム感謝祭の開催にあわせ、受益地域から来られる方々への「おもてなし」の意を込め、嘉瀬川ダム周辺自治会の方々による、ダム湖に面する公園、周辺道路等の一斉清掃を行っています。
清掃状況 |
(5)富士しゃくなげ湖フォトコンテスト
ダムによって新たに創出された風景を、近隣地域住民だけではなく遠方から来られる人達等に知っていただくとともに、また様々な角度から素晴らしい景色を知ってもらえるように、嘉瀬川ダム「富士しゃくなげ湖」の自然をテーマにしたフォトコンテスト毎年を行っています。なお、受賞した作品はダムの近くにあるダムの駅富士「しゃくなげの里」に展示され、多くの人達に見ていただいています。
受賞者表彰式 | 受賞作品展示状況 |
(6)音無湿地を活用したトンボ観察会
佐賀市では市内の河川やクリーク等にすむトンボを中心とした生き物や自然観察を通し、身近な自然環境について学ぶ「トンボ教室」が開催されています。その観察場所の一つは、嘉瀬川ダムの建設によって湿性地再生を行っている音無湿地であり、珍しいトンボも観察されています。
トンボの採取状況 | トンボの確認状況 |
嘉瀬川ダム水源地域ビジョンは推進協議会設立から4年目を迎え、水源地と受益地域との連携、豊かな自然環境の保全や活用等、地域の身の丈に合った取り組みを行っています。
今後は、佐賀市、唐津市、福岡市から約1時間で訪れることが出来るという恵まれた立地条件を活かし、水源地域のPRを行い、人と人との交流から水源地域の活性化に繋がるような施策を推進していく予定です。