摺上川ダムといいざかサポーターズクラブとの連携について

東北地方整備局 摺上川ダム管理所長
三浦 猛

1.摺上川ダムについて

摺上川ダムは、福島市飯坂町茂庭地内に建設された多目的ダムです。摺上川ダムは阿武隈川水系摺上川の上流に建設され2005(平成17)年度に完成し、2006(平成18)年度に管理移行しました。

同じ阿武隈川水系には、他に七ヶ宿ダムが1992(平成4)年度に、三春ダムが1998(平成10)年度にそれぞれダム管理を開始しています。

摺上川ダムは、集水面積160km2、総貯水容量1億5,300万m3を有するダム高105mの中央コア型ロックフィルダムです。このダムは、洪水調節、流水の正常な機能の維持、かんがい用水補給、水道用水供給、工業用水確保、加えて水力発電と多くの役割を担っています。

摺上川ダム位置図

摺上川ダム諸元

2.いいざかサポーターズクラブについて

特定非営利法人いいざかサポーターズクラブは平成21年(2009年)に設立され、福島市飯坂町(飯坂温泉)を拠点とする地域活動団体です。地域活性化を目的として空き店舗のリノベーションやカフェ運営、冒険あそび場の運営、着地型観光プログラム(カヤック・SUP)など様々な活動を行っています。

特に摺上川ダムとの関連では、ダム下流の広瀬公園では「冒険あそび場運営事業」、ダム上流(もにわっ湖)の梨平公園ではカヤック・SUPに利用されています。

平成24年より摺上川ダム湖面でのカヤックツアーを実施しており、ツアー開始から12年が経過し福島市民をはじめ毎年500人以上の参加となる人気のプログラムとなっています。

ダム下流の市営キャンプ場や隣接親水広場を利用したイベントとしてキャンプフェスティバルやダム周辺での自転車イベント『茂庭っ湖ライン(TT)タイムトライアルレース』を開催しています。

また、カフェも経営しており摺上川ダムを模した「茂庭っ湖スープカレー」を提供するなど、ダム周辺地域へのにぎわい作りに大きな役割を果たしています。

毎年夏休みに開催されている「冒険あそび場運営事業」においては、ダム下流での川遊びなどにより、自然の中での遊びを通して自然の危険や恐ろしさを伝える活動の実績もあります。

こうした活動から当該団体は平成27年(2015年)に河川協力団体として認定されました。

令和5年度からは、摺上川ダム管理所と『摺上川ダムに係る地域活性化活動及び広報活動の連携に関する協定書』を締結したことによりカヤックツアーとダム堤体見学を連動した催しなどの企画が可能となりました。

引き続き、ダム周辺地域の活性化に向け、相互に連携を図り、取り組みを行っていきます。

■摺上川ダム管理所HP:https://www.thr.mlit.go.jp/surikami/