水源地域ビジョン

事例紹介『日吉ダム』

2018.01掲載
独立行政法人 水資源機構 日吉ダム管理所

●日吉ダムの概要

 日吉ダムは、1998年(平成10年)4月に、淀川水系桂川に建設され、独立行政法人水資源機構日吉ダム管理所で管理されています。

【日吉ダム建設の経緯】
  1961(S36)年 3月  宮村ダム計画構想発表
  1981(S56)年 6月  水源地域対策特別措置法に基づくダムに指定
  1993(H5)年 2月  ダム本体工事に着手
  1993(H5)年 4月  「地域に開かれたダム」に指定
  1994(H6)年 10月  ダム本体コンクリート打設開始(1996年11月まで)
  1997(H9)年 3月  試験湛水開始(1997年12月まで)
  1998(H10)年 4月  ダム管理開始


●日吉ダム水源地域ビジョンの策定

 日吉ダムでは、平成14年3月に策定し、平成14年度から活動を開始。



●日吉ダム水源地域ビジョンの内容

 日吉ダムは京都府中部に位置し、京都縦貫自動車道により京都市洛西と40分程度で結ばれるなど、アクセス性が優れています。

 日吉ダムは、1993年(平成5年)4月に、「地域に開かれたダム」の指定を受け、水源地域の立地特性を活かした施設が整備されました。日吉ダム水源地域ビジョンは、これらの施設の利活用を主体としています。

 また、活動の目的・必要に応じて、分科会を設立し、運営を行っています。

日吉ダム水源地域ビジョンの実施体制


●日吉ダム水源地域ビジョン連絡会 推進組織

 京都府南丹広域振興局 企画総務部企画振興室、京都市建設局 土木管理部土木管理課、南丹市土木建築部道路河川課、南丹市商工会、日吉町森林組合、上桂川漁業協同組合、大堰川漁業協同組合、日吉ふるさと株式会社(スプリングスひよし)、きょうと京北ふるさと公社(宇津峡公園)、スチールの森 京都(京都府立府民の森ひよし)、国土交通省近畿地方整備局 淀川ダム統合管理事務所、独立行政法人水資源機構 関西・吉野川支社淀川本部、独立行政法人水資源機構 日吉ダム管理所



●日吉ダム水源地域ビジョンの基本方針(H14.3策定)

 地域に開かれた日吉ダムの「新たな展開」を図るため、「風土・自然を基盤とした、健康で文化的なまちづくり」を基本理念として、以下の3つの内容を選定しました。

 ①現況施設の展開、②環境学習をテーマとした展開、③周辺施設・地域の広がり



●最近の活動(イベント)

・水の恵み見学ツアー(H29.5.21)

 上下流交流の一環として、水源地である日吉ダムと下流の取水施設の働きを理解して頂くことを目的として、「京都府営水道事務所」と共同で開催しています(今回で9回目)。

 イベントには、日吉ダムの水を利用されている向日市・長岡京市・大山崎町にお住まいの26名が参加しました。乙訓浄水場では、川の水を浄化する仕組みや環境に配慮した取り組み内容(府職員による)、日吉ダムでは、ダムの設備、管理方法の紹介を行いました。

日吉ダム堤内 日吉ダム選択取水設備


天若湖あまわかこアートプロジェクト ~あかりがつなぐ記憶~(H29.7.2)

 天若湖(日吉ダム湖)では、水源地域住民への感謝と上下流の市民交流を目的に、ダム建設で水没したかつての集落の夜景“あかり”を再現するイベント「天若湖アートプロジェクト あかりがつなぐ記憶」(「天若湖アートプロジェクト実行委員会」主催)が、平成17年から毎年開催されています。本プロジェクトは、環境保全団体、NPO、流域の諸大学等の連携により、地域の生活文化と環境との関わりを、アートの方法によって幅広い流域市民の間で共有し、水辺環境についての市民意識の向上に資することを目的としています。

 
「かつて家屋が存在した場所に灯された明かり/写真:地元の写真愛好家(小薗氏)撮影


・ひよし夏祭り(H29.7.17)


 「日吉町観光協会」主催の日吉町を代表する夏の恒例イベント。ダム下流広場を利用した屋台、子ども魚つかみ大会、花火大会などの催しなどが行われます。

 日吉ダムでは、堤体及び普段見られない堤体内施設の見学案内を行いました。





子ども魚つかみ大会 ダム堤体内部の案内 ダム堤体内部の案内




・ひよし水の杜フェスタ(H28.9.18 ※H29年度は中止)


 南丹市(日吉支所)や地元業者などでつくる 「ひよし水の杜フェスタ実行委員会」主催の秋の恒例イベント。日吉町文化祭展示の部や南丹船井交通安全大会など様々な催しも同時に開催された。日吉ダムでは、ダム見学などを行っています。





ダム見学 ステージでの催し(「森の京都博」HP)




●最近の地域の活動

 日吉ダムは、ダムにより出現した湖が龍の形に似ていることから、地元、南丹市日吉町世木地区の関係者が中心となり、平成28年「ひよし龍の森プロジェクト」が発足しました。地元では「ひよし伝説」を創作し、日吉ダム湖(天若湖)をシンボルとして新たな魅力発見に取り組んでおり、こうした取り組みが話題となり、平成29年9月6日京都新聞(朝刊)において記事となりました。地元では、龍の森マップを作成して、PR活動を行っていますが、今後更に遊歩道の整備などに取り組む予定と聞いています。


ひよし龍の森マップ


(参考) 日吉ダムHP掲載の水源地ビジョン
http://www.water.go.jp/kansai/hiyoshi/html/vision/vision.htm



日吉ダムには、
日本初の「インフォギャラリー」
日吉ダム防災資料館(ビジターセンター) と、面白そうな施設があります。