ダム・水源地トピックス

第4回八ッ場ダム現地見学会

2018.02掲載
水源地ネット編集局
齋藤 源

静かな現場見学

 

 第4回八ッ場ダムファン倶楽部現場見学会は、暮れの押し詰まった12月24日の日曜日・クリスマスイブとなり、本体建設工事はお休みで、骨材運搬もコンクリート打設もなく静かな現場見学となりました。今回の見学者総勢7名です。
 
 現場は車や重機の動きがないため、普段は作業員も立ち入れそうもないダム左岸天端付近のコンクリート製造設備関係を隅々まで見学させて頂きました。

○第2骨材調整ビン

 5基ある大きな筒は「第2調整ビン」と呼び、別の場所にある第1調整ビンと合わせて2~3日分の骨材が貯蔵されるもので、普段は休み無く動いています。骨材は寒い冬は温風で暖め、真夏は冷風で冷やされてコンクリート製造プラントに送られます。


▲第2骨材調整ビン ▲冷風設備

○ケーブルクレーン&タワー

 ダム直上にあるケーブルクレーンは、コンクリートの他バックホウ、バイバック、目地切きり機などの重機を吊り込みます。そのケーブルクレーンの巨大なウインチは、一般にはなかなか覗け無いところです。


▲ケーブルクレーンタワー ▲ケーブルクレーン巻き上げ機の一部


▲目地切り機 ▲コンクリート打設現場に吊り込まれるバックホウ、バイバック(コンクリート締め固め用の大型バイブレーター)、目地切り機。 ▲バイバック

○リムグラウト用トンネル

 左岸のケーブルクレーン基礎の直近には、左岸側地山の止水グラウチングを施工するための(貯水池の水が地山から漏水しないため)リムグラウトトンネル坑口(左岸側延長約60m)が見えます。 このトンネルは工事完成後も管理用として残るため、お酒やワインの貯蔵庫などになっている例があります。こちらはどうなるか楽しみです。




○コンクリート製造設備(バッチャープラント)

 2機あるコンクリート製造設備で練混ぜられたコンクリートは、トランスファーカに投入されバンカー線(レール走路)上をケーブルクレーン下まで横移動させ、6.0m3の大型バケットに投入し、ダム本体へケーブルクレーンで運搬します。


▲バンカー線とトランスファーカ ▲バッチャープラントとセメントサイロ


○今しか見られない八ッ場ダム見学

 今回の見学会は、誰でも自由に見学できるダムサイト上流左岸にある「やんば見放台」そばにあるうどん屋さん駐車場が集合場所でした。

 八ッ場ダム本体工事も高さの50%まで打ち上がり、今しか見られないと工事現場を見ようと大勢の見学者が来ています。

 八ッ場ダム本体建設工事は今日はお休みですが、工事は「八ッ場ダム本体工事 清水・鉄建・IHI異工種建設工事共同企業体」(以下「JV」という)が請け負い施工しています。この工事に関連した会社は表示板から見ると200社にも及んでおり、この工事に多くの方が関係していることに驚きます。



やんば展望台付近と関連会社表示看板


○本体工事請負会社の広報



 本体工事JVとしても、円滑な工事施工と会社広告も兼ねて広報を行っているというので、JV関係者にその概要をお聞きしました。

地元住民の希望者、希望団体に対しては随時現場見学を行っている。

水没関係者である川原畑・川原湯地区住民を対象に1年に1回現場見学会と懇親会を実施している。平成28年9月には、同水没地区住民に「ダム基礎岩盤見学会」を実施した。

長野原町の宿舎で生活しているJV関係者は、長野原住民として水没地区の各種お祭りなどに参加したり廃品回収や道路清掃などを行い、地域に溶け込む努力もしている。

建設業関連団体、関係会社お得意先、OB会など現場見学希望者の案内をしている。
 これら、現場案内は、平均140名/月程度となる。

JV代表の清水建設(株)は、現在の会社を代表するダム工事として、TVCM(日本テレビ系列:世界の果てまでイッテQ)、地下鉄車内広告、新聞広告等に八ッ場ダムの写真等や映像を使っている。これまでもインフラストック効果をテーマにした新聞広告をしているが、平成29年から、土木が暮らしの身近なものであるということをアピールする広告として、カメラガールズ(女子の写真サークル)に八ッ場ダム建設現場の写真を撮影してもらい、土木の魅力と価値を伝える「ダムパジャ」もホームページに公開している。
※以下、清水建設株式会社様よりサイトの写真をご提供頂きました。